この日の夜は、緊急地震速報が何回かきた。そのたびに起きていたからよく眠れなかった。
私はたくさん余震がきて、ちょっとやそっとの地震では微動だにしないほどになった。
「慣れちゃいけないのよ」
とお母さんには言われたけど…。
「一昨日にあんなおっきい地震経験してるからなぁ……」
震度3くらいまでなら余裕なんだけど。
そう言い、思いながら地震後二日目の朝を迎えた。
電気も通らなくて何もやることがないお父さんとお母さんはこたつでダラダラしていた。
私は……。
「春休みの宿題。もう配られてるんでしょ?早いうちにやっときなさい」
「はぁ~い…」
そんなワケで宿題を一人せっせとやっていた。
「こんなのんきなことしてていいのかなぁ…」
津波被害にあったほうではまだ避難民とか行方不明者がたくさんいるのに……。
私にも他に何かできることないかなぁ…。
宿題を進める手を止め、部屋の天井をボーっと見ていた。
すると。
「わ」
突如、視界が眩しくなる。
「何…?」
「遥!」
「何、お母さん」
「電気、ついた!」
「…え!?」
ゆっくり部屋の電灯を見る。
「ついて、る…」
二日ぶりの明かり。
それは、今まで見た中で一番神々しいような。