空気は、鉄錆のにおいがした。 まるで切れた傷口から染み出た血が、空気中に拡散しているような気がした。 真っ暗な部屋で、私は1人。 どこからも光なんか、見つけられなくて。 私の世界には、影しかなくて。 いつまでたっても私は1人。