「はやく行こ〜。」
「わかったから引っ張んなよ。」
そんなやり取りを見ていたらさすがのあたしでも辛いよ。
あたしは一目散に教室を出た。
「はあ〜。あたしもあぁゆう事ができたらいいのにな。」
帰り道を一人でトボトボ歩きながら呟いた。
「ああいう事って?」
びくっ!!!
後ろからあたしの好きな人の声がした。
振り返ると愛しいと思う人の姿があった。
「なっ…なんでいるの?」
さっきの人遊びにいったんじゃないの?
頭の中ではいろいろ思ったけど
咄嗟に出た言葉がこれだった。
「家がこっちにあるんだから帰ってるだけじゃねぇか。俺の家忘れたのか?」
いやいや。そんぐらいわかるって。