あたしの愛、幾らで買いますか?

あたしは‘彼’の分と自分の分を

器によそった。

我ながら上出来。

今度はチーズを入れて作ってみよう。

絶対に美味しいはず。


「早く帰ってこないかな…」


ダイニングには二人分のシチューが

置いてある。

湯気はすっかり消え、

シチューの上には薄い膜が張り出した。

カレーやシチューが冷めた時に現れる

膜だ。


一時間待っても、

二時間待っても

‘彼’は戻ってこなかった…。


あたしは綺麗に盛り付けたシチューを

無残にも生ごみ用のゴミ箱に捨てた。


温め直すなんて意味がない。

一人で食べるなんて、

もっと意味がない。


朔羅が食べてくれないんじゃ

意味がない。