あたしの愛、幾らで買いますか?

好きじゃないのに

百合子と付き合う笹井…。

何それ?

何のメリットがあるの?


「お待たせしました」


店員さんはあたしのホットココアと

笹井とエリの分のお水を持ってきた。

エリはメニューを見ずに抹茶ラテを頼み、

笹井もホットコーヒーを注文していた。


あたしのココアの上には

マシュマロがぷかぷかと浮いていた。

ココアの熱で

少しずつ溶けていくマシュマロ。

その様は、なんだか暖かいようで

だけど、

虚しかった。


「なぁ、安藤…」


沈黙を破ったのは

やはり笹井だった。


「お前、学校どうするの?
 根も葉もない噂が立ってるんだぜ?」

「どんな?」

「歩美は、聞いたら笑うと思うよ。
 それ位でたらめな噂」

「でたらめ?
 どんなよ」


エリと笑い合うあたし。

だけど、笹井だけは笑っていなかった。


「1コはねー
 歩美が春人と付き合ってる
 って噂」

「ハルト?」

「滝川春人!
 今、CMとかガンガン流れてるじゃん?
 あの人。
 歩美、芸能人とか疎いもんね?」


あたしの頭が真っ白になった。

何で?

そうか、笹井が笑わなかった理由はこれか。

笹井は朔羅とあたしが

校門で抱き合っている所を

目撃していたんだっけ。