あたしの愛、幾らで買いますか?

あたしは、すっと小さく手を上げて

美人な店員さんを呼ぶ。


「お待たせしました」

「ホットココアひとつ」

「ホットココアですね。
 かしこまりました」


そう言って、カウンターへ戻り

ココアの準備をしてくれているのだろう。

カチャカチャと小さな音を立てながら

ドリンクを作っているようだ。


その間にあたしは携帯を取り出し

メールの問い合わせや

朔羅のメールを読み返していた。


―カランカラン…


誰かが店内に入ってきたようだ。

入り口の鐘が鳴った。

あたしのココアを作りながら


「いらっしゃいませ」


と店員さんが声をかけた。

店員さんが


「空いている席へどうぞ」


の問い掛けに、入ってきた人は


「待ち合わせなんで」


と言っていた。