あたしの愛、幾らで買いますか?

あたしは

いつかエリと行った

‘綺羅’というカフェに辿り着いた。

実家から意外と近くて拍子抜けした。


少しだけ重い扉を開け、

カランと入り口の鐘が鳴る。

カウンターの所に居る綺麗な女の人が


「いらっしゃいませ」


とあたしに声をかける。

店内には、お客さんが数人

ポツリポツリと居た。

BGMは薄くかかっていて、

サックスの音が心地よかった。


あたしは窓際の席へと行った。

ソファに腰を下ろしてしばらくして

カウンターに居た女性がお水を持ってきた。


「ご注文はお決まりですか?」


低めの声に色気すら感じる。

きっと、このお店に居る男性客は

この人目当ての人が絶対にいると思う。

それ位美人なのだ。


「あ…
 ちょっと考えます」


あたしは申し訳なさそうにメニューを開く。

女性店員は


「失礼しました」


と軽く一礼をしてカウンターへと戻った。