あたしの愛、幾らで買いますか?

そして、

あたしは短く言葉を母に告げて

パタンと玄関の扉を閉めた。

来る時には少なかった荷物が、

帰るときはかなりの量になっていた。

大きめのカバンには彼から手渡された

現金が入っていた。

紙切れなのに、

それらが束になるだけで

凄く重い。

前向きに捉えれば

愛の重さなのだ。


外はすっかり暗くなり

部屋の中が温かかったのだろう。

体が芯から冷えそうだった。


今朝降っていた雪は止んだけれど

今は凍ってよく滑る。

あたしは滑らないように

慎重にパンプスを履いた足を前へ進める。