あたしの愛、幾らで買いますか?

あたしは笹井とのメールをしながら、

久し振りの実家を出た。

母は


「何かあったら連絡してね」


そう微笑むだけだった。

あたしは、

その言葉に甘えないと決めた。

朔羅が居る限りは

朔羅と生きていくのだ。


「ママ、
 レシピありがとう。
 あと…」


言葉に詰まるあたし。

その様子を

母は穏やかに見つめるだけだった。

ゆっくりと紡ぎだそうとする言葉を

待ってくれているように思えた。


「生んでくれてありがとう」


その言葉の返事は


「何言ってんの」


だった。

母は笑いながら


「それは、
 歩美が結婚する時に聞かせて」


と言った。