あたしの愛、幾らで買いますか?

少し他愛ない話をして、

電話を切った。

どうやら、

あたしが電話に出なかったから

不安になったらしい。


キッチンから母がカチャカチャと

マグカップを二つ持って戻ってきた。


「電話、彼から?」


母は再びこたつに入るなり

切り出した。

あたしは、その言葉に

首を縦に振る。


「今日は、どうする?
 久々にうちで夕飯食べる?」


少しだけ胸がチクリとした。

今なら母と穏やかに

夕食を摂れるかもしれない。

だけど、

朔羅を一人にさせたくは無かった。

今日は撮影が早く終わる予定だから。


「ごめん…
 家で彼と食べるよ」


申し訳なさそうに言うと、

母は少し寂しげに笑って


「そうね。
 ご飯作って、
 歩美も料理の腕上げなきゃだもんね。
 彼の為に」


と言った。