あたしの愛、幾らで買いますか?

―チカッチカッ


母親が新しいカフェオレを作りに

キッチンへ向かった時、

あたしはそれに気が付いた。

携帯のランプがチカチカと

せわしなく光っていた。

ブルーの点滅は着信の合図だ。


携帯を開き、

待ちうけ画面を見て、

あたしは息を飲んだ。


【着信10件あり
 新着メール5件あり】


普段、あたしの携帯は

朔羅からの電話やメールしかない。

精々1日3件位なものだ。

あたしは頭にクエスチョンマークを

チカチカと点滅させて着信履歴を開いた。


「……」


‘え’という音すら出なかった。

着信は全て朔羅だった。

最初は20分おき、

それが徐々に間隔が狭まってきている。

恐らく、新着メールも朔羅からだと

安易に予想できた。


カチカチとあたしは親指を動かし

受信フォルダを操る。


≪SaKuRa≫


そう書かれた彼専用の受信フォルダ。

それだけが赤く染まっていた。