あたしの愛、幾らで買いますか?

台所に立つ母親に

少しだけ違和感があった。

マグカップを両手に持ち、

こたつまで持ってくる母親。


「熱いから気をつけてね」


そう言いながらコトリとマグカップを置く。

あたしは


「ありがとう…」


と小さく言い、

思わず母親をじっと見つめてしまった。

小さな子供みたいにじっと見る

あたしを不思議に思ったのか

母親は不思議そうな顔をしていた。


「ねぇ…ママ…」

「なぁに?」


歌うように柔らかい喋り方の母親。

小さい時は、

そんな母親の喋り方が好きだった。


「少し、痩せた?」

「そう?」


母はそう言って、クスっと笑って

こう続けた。


「年取ったからかなぁ?」


今日は母はよく笑う。

こんなによく笑うんだね。

あたし気付かなかったよ。