あたしの愛、幾らで買いますか?

信号はなかなか青になってはくれなくて、

朔羅の長めの睫毛の下から見える黒目が

ゆっくりと左右に動いている。

時々、彼が見せる

子供みたいな仕草や表情。

あたしが好きで好きで堪らない

彼の一面。

こんな彼の一面を見れるのは

あたしだけの特権であって欲しい。


そんな事を願うあたしは欲張りなのかな?



あたしは、そっと手を伸ばし

彼の頭を撫でる。

優しく

優しく…

とても傷つきやすいものに触れるように

朔羅に触れる。


「朔羅?
 どうしたの?」

「今日、
 ちょっとしか時間取れなくて
 ゴメンね」

「ううん。
 歩美は朔羅に会えるだけで
 幸せだよ」

「あと…」

「ん?」

「殴ってごめん」


殴ったあとの彼は

子供に戻るような気がする。

年下のあたしが言うのも変な話しだけど。