あたしの愛、幾らで買いますか?

だから、あたしは

エリの問い掛けに首を縦に振る。

その行動を見たエリは

アーモンドみたいな目を弓なりに細めた。


「やったぁ」


そんな風に

素直に喜ぶエリが少しだけ羨ましい。


…あたしは逆立ちをしたって

そんな風に喜ぶことなんて出来ない。

あたしには似合わない。


「じゃ、
 今から支度するから待ってて!」

「うん」


エリはパタパタと帰り支度をする。

あたしは、その間

朔羅にメールをする。


【送信先:サクラ】


【今日も仕事忙しいかな?
 あたしは今から友達とカフェ行くよ★】


カチカチと携帯を操り、

愛しい彼へとメールを送信する。