あたしの愛、幾らで買いますか?

「なんか、
 この時間に笹井が居るのって
 珍しいなぁと思って」


その言葉に、あたしも驚いた。

彼は時間ギリギリに来る。

時間に余裕を持って学校に来る

タイプではない。

少なくとも、あたしの知っている笹井は

ギリギリに行動する男だ。


「たぶん、
 今日雨降るんじゃない?」


あたし達は呑気にそんな事を話しながら

学校の階段をタンタンタンと上がる。

2年のあたし達の教室は3階。

階段を上り3階が近付いた頃

鳥肌が立つような笑い声が聞こえた。


百合子の笑い声だった。

本人は可愛く見せるための

笑い方かもしれない。

でも、

あたしには


‘作り物’


にしか見えない。

そこが不気味で少し恐怖すら感じる。


【笑っているのに笑っていない】


まさにそんな感じ。