あたしの愛、幾らで買いますか?

チャイムが鳴るまで、

まだまだ時間があった。

だから、あたし達は

ゆっくりとスローなペースで歩いて

相変わらず沈黙をはさみながら

校門を潜り抜けた。


つい何分か前までは暖かかったはずの

飲み物も情けないほどに冷え切っていた。

体育館の下にある、

分別されているゴミ箱を経由して

あたし達は下駄箱へ向かう。

8時を少し過ぎたばかりの下駄箱は

まだまだ黒の革靴が占める割合は少ない。

8時15分頃になると、

いきなり黒の割合が増えるのだ。


「あれ?」


エリが小さく声を上げる。

あたしは思わずエリの方へとチラリと

視線を移動させる。


「どうしたの?」


あたしが、尋ねると

彼女は首を小さくかしげた。