あたしの愛、幾らで買いますか?

「朔羅…
 ごめんね。ごめんなさい」


また止まる車。

今日は、よく赤信号に引っかかる。

まだ、ジンジンとする頬に

温もりを感じた。


朔羅が悲しそうな瞳をして

あたしを見つめて

指先で、あたしの頬を撫でる。

温かい朔羅の指先。


そして、

彼はギュッと抱き締めてくれた。

いつも通りの優しい声で


「俺も、ごめんね…」


そう言ってくれた。


「あゆ?」

「なぁに?」

「約束、守れる?」


あたしは朔羅の腕の中で

コクリと頷く。

あたし達の視線が

やっと絡み合った。