あたしの愛、幾らで買いますか?

丁度赤信号でブレーキをかけた彼は

視線をあたしへと向けた。

視線が絡まっているはずなのに

あたしの中にあったものは


【恐怖】


それだけだった。


彼の視線は、

冷たくあたしを切るような

鋭い目つきで

まるで睨むように、

あたしを見ていたから。


あたしは固まるしか出来なかった。