あたしの愛、幾らで買いますか?

「なんで…って…」


あたしは、

どうして彼の機嫌が悪いのか

わからなくて困ったように呟く。


「俺、約束守らないヤツって
 無理なんだよね」

「え?」


一瞬、意味がわからなかった。

約束?


「どういうこと?」

「学校。
 サボらないって約束したろ?」


真っ直ぐ前を見ながら

声に温かさを感じない彼の声が

あたしの胸に突き刺さる。


「約束したけど…
 だって…」


‘朔羅に会いたかったんだもん’

その言葉を、あたしは飲み込んだ。

というか、

飲み込まざるを得なかった。


だって…