あたしの愛、幾らで買いますか?

あたしは、

居ても立っても居られなくなって

その黒い車まで駆け寄った。


―コンコン


あたしが運転席の窓を叩く。

黒いスモークがかかっているから

彼の顔が良く見えない。

勝手に開く窓に胸を高鳴らせる。

彼の笑顔が見たくて

あたしは愛しい人の名を呼ぶ。


「朔羅…」


窓の向こうに居たのは、

愛しい彼。


だけど、





















そこに笑顔は




















なかった。