あたしの愛、幾らで買いますか?

ホットミルク?


あたしは恐る恐る笹井を見る。

彼は優しく目を細めて


「どうぞ」


そう言う。


あたしは猫舌だからフゥフゥと

息で少し冷ます。

そして一口飲む。


ただ牛乳を温めただけの物とは違った。

少しだけ甘い。


「…おいしい」


呟くようにあたしが言うと、

笹井は誇らしげに


「だろ?」


と言う。


「ハチミツ入れてみた。
 美味くねぇ?」

「美味しいって言ったじゃん」


ついつい、

あたしの口元は緩む。