あたしの愛、幾らで買いますか?

あたしは、

彼への恋心を認めた時から

他の温もりを求める事は止めた。

笹井と体を重ねる事すらなくなった。


だけど…

体が温もりを欲しがる。

水を欲しがる魚のように

太陽の光を浴びたがる花のように


ダメだよ。

もう愛を売ることはやめたんだよ。


自分に言い聞かせているうちに

眠っていた自分の中の悪魔が

目を覚ました。

そして、

こう言われた気がした。


【朔羅にバレなきゃいいじゃん】


バレなければいい?

あたしが黙っておけばいい?













そうか、

黙っていればいいんだ。











家まで、あと少しなのに

あたしはくるりと向き直って

大通りの方へと歩き出した。