あたしの愛、幾らで買いますか?

「名前は朔羅。
 春に生まれたから
 ‘桜’にちなんで
 名づけられました。
 親は本当は女の子が欲しかった
 みたいだけどね」


少しだけ寂しそうに笑う彼。

あたしは、ただただ見つめているだけ。

そして、

彼の自己紹介はまだ続く…


「出身は静岡県。
 3歳で東京に引っ越してきたから
 ほとんど静岡の事は覚えていない。
 父親と母親と俺と妹の4人家族。
 普通の家族。
 妹は‘夏の心’って書いて
 ナツコ。
 夏に生まれたから。
 すげぇ単純な両親の名付け方で
 ウケるけど…」


時折、彼は

夜空を仰ぐように視線を空へとやる。

何か思いを馳せているのだろうか?


「年は19。
 今年で二十歳」


彼の年を聞いてビックリした。

あたしが考えるより、

ずっと若かった。


「あゆ、驚きすぎ」


彼は、そう言って笑う。

あたしは


「だって…」


と困ったように笑うしか

出来ない。