「そうですね…

でしたら、わたくしの甥っ子はいかがでしょう?

ちょうど沙希様と同い年です」


「そうか…私は柊に任せるつもりだ

しかしその子の親はどうなんだ?」


「親ですか…恥ずかしい話し父親…
まぁわたくしの兄なのですが、職業の都合で海外を飛び回り、

そして母親…わたくしの義姉は旦那の付き添い
甥は今、わたくしの母の家に…」

職業は冒険家、と付け足す柊


「…そ、そうか

な、ならその子にしよう

瑞穂、何か問題はあるか?」


さすがの父も焦っている…ていうか冒険家って…


「ありませんわあなた
沙希、あなたも良いわね?」


「うんっ!私も執事さんほしい」


きっと話をほとんど聞いていない私


おいおいそんなにあっさり決めて良いのか?


てか、いたんだ


「要らないと言われたら元も子もないからなハハハ」

──

こうして私は
母の一言、父の行動力そして、柊さんの提案によって大きな出会いをするのはこの日から数日後であって…


この話はおよそ10年前のお話…

──