「ゴメン…マメ柴…でも今は…今だけでいいからこうさせて…」
悲しそうに志也咲君は呟くと
わたしの首元に顔を埋めた
鼻息が首にかかって…
汗臭くないかな…
とか思ってしまう
このまま時が止まればいいのに
このまま…ずっと…
ゆっくりと目を閉じた
志也咲君を体で感じてる
そう思うだけで胸が締め付けられる
そう思うだけで志也咲君を愛おしく思ってしまう
わたし…変な子になっちゃったのかなぁ…
だけどそんな考えも
志也咲君の匂いの中に溶けていってしまう
このまま…ずっと
そんな言葉を胸の中でずっと
繰り返し繰り返し唱えていた
そっと志也咲君の熱が離れていく感触があって
あぁ…きっと離れていっちゃったんだ…
ゆっくりと
現実に引き戻される



