ちゃーんと聞いてくれんだよね~
「元保がさあ…あの手紙無視しろって」
「なんで?」
それわかんねぇからもやもやしてんだろ~?
あいつ何が言いたいのかさっぱりなんだもん
「わかんねぇだよ、だからもやもやすんのよー」
ふーんと呟いて
「で、なんて言ったんだよ?」
と顎で元保をさした。
「気になるし、聞くってゆった」
俺がそう言うとまたふーんと呟いて急に立ち上がった。
「うわ!ちょ、いきなり立つなよ!」
転けそうになったのをなんとか持ちこたえて恭治に怒ると、平然とした顔をした恭治が今度は別の方向を顎でさして言った。
「聞くなら聞けよ、いまちょうど居んじゃん」
その方向を辿るとひとり席に座って次の授業の予習をしているあのこがいた。
俺は一瞬元保が言った事を思い出したけど、意を決して彼女の席に近づいた。
「あのさぁ…」
少し照れる。
こんな気持ちで話しかけることなんて今までなかったし。
すると驚いたように肩を揺らして俺をみると更に驚いた顔をして急に机の上を片付けはじめた。
え、なになに…


