「…和希はその子のこと、好きなの?」
元保の言葉に固まる俺。
何を言い出すのか、こいつは。
「何で?俺は別に好きとか…」
名前もしらねぇし、全然見たことなかった子だし。
「好きなわけじゃないの…?…じゃあ何で?」
俺をまっすぐ見つめて、更に。
「別に元保に言うようなことじゃ…」
「いいから、言って!」
迫力のある声に、怒ったような泣きそうな顔が俺に向けられる。
何で、そんな顔するんだよ。
なんで、そんな顔で俺にこんな事きくんだよ…。
「俺の机の中に、手紙が入ってた。『好きです』しか書いてなかったけど…。多分その子だと思うから、聞こうと思って」
元保の顔を窺って話終えると、しんと空気が張りつめた。
「…だ、だから。関係無いっつったんだよ…。」
ふいっと顔をそらして、急に押し寄せた恥ずかしさに顔が赤くなった。
そのとき、
「いい」


