誰かいたらできない話?
元保の後について図書室の入口を入ると扉を閉めた。
「…はっ、なんで扉閉めるの!?」
「はぁ?聞かれたくない話だからここまで連れてきたんじゃねぇのかよ?」
なにいってんだこいつ。
驚いた顔からはっとして顔を俺から逸す。
「そ、そうよね…。そうなのよ…」
俯いたまま言葉をつまらせる。
そんな元保を不思議に思いながら、近くにある図書委員用のパイプ椅子に座ると、ポケットに手を突っ込む。
「で~、話ってなんなんだよ」
そうきり返す俺を見て、少し顔を歪めた。
「さっきの、何?」
は?さっきの?
「さっきのって?」


