「おい、猫かぶり女。」
イライラするわ、なんだよ。
不公平だろ。
もっと、公平に俺にも接しろよ。こんにゃろう。
「なに?なよなよボーイ」
俺の方に振り向いたその顔は、まるで鬼。
てめぇ、今なんつった? って顔。
「人のこと、変な呼び方するなよ。」
「和希もでしょ、お互いさま。…ちょっと、こっちきて」
いっこうに睨むのをやめない元保。
その状況でこっちに来いって、殴られるんですかね?僕。
「おい!和希!お前なに、芽ちゃんに絡んでんだよ!」
眉間に皺を寄せて、俺を睨んでいるだろう慎也を他所に「ちょ、来いって言ってるでしょ」と俺をにらみ続ける。
「なんなんだよ…」
しかたなく近づく。
すると、元保の手が俺に向かって伸びてきた。
マジで、殴られるんすか僕!!!


