あ、
「元保」
怪訝な顔で俺をみている。
なんだよ、朝から機嫌わる。
「なにしてたの?」
もう一度俺にそういうと、肩にかけていた鞄をはずして教室の中に入っていく。
「元保には関係ねぇー事」
「ふーん…何よ、隠しちゃって。思春期ボーイ」
はぁ!?
何だそれ、ガキじゃねぇーんだぞ!
「あっ!!!芽ちゃーーん!おっはよう!」
「おはよう、今日も元気だね~」
慎也が嬉しそうに元保のところに走っていく。
あいつ元保の犬だな。
元保も元保で、俺以外のやつにはニコニコニコニコ。
ニコニコニコニコ…。
なんか、腹たってきた。ちくしょう。


