「どうした、和希」
恭治が、筆箱を手にとって立ち上がる。
「いや、なんか机んな中に…」
四つに折りたたまれているメモ用紙。
「なんだこれ、こんなゴミ誰が入れたんだよ」
人の机にゴミ入れるやつとか、恭治と慎也くらいだし。
恭治がしらんということは、慎也の野郎か。
折角人が協力して聞いてやったってのに、恩知らずなやつ。
にぎり潰そうと手に力を入れた。
「あっ…」
小さかったけど、俺のみみにはばっちりと届いた声。
ハッとした顔をして口を抑えて教室を出ていった女。
「はあ?…なんだよ。」
開いてみると女の字で 好きです。 とだけ書いてあった。
予想だにしない手紙に固まっていると恭治が俺の手から紙をとる。


