向こう側で慎也の携帯がなっている。
携帯を手にした慎也は嬉しそうにやってきて俺の隣の椅子に座った。
「さんきゅー!結構、いろんなとこ聞けてんじゃん~」
「ああ、まあな。俺の美貌使ったら楽勝だよ」
はっと笑って、慎也の肩に拳を当てる。
「あーソウダネ。んじゃ、今から芽ちゃんにアタックしてくるわ」
俺の冗談も軽く受け流して、走って女子の中に飛び込んで行く。
棒読みってどうなんだよ。
もっと突っ込め。
逆にこっちが恥ずかしい。
周りの女子にうざがられてるのに、動じず元保に喋りかける慎也。
このまえのできごとなんてなかったかのように笑顔で話す元保。
付き合ったら、どうなるんだろ。
結構似合ってる?かもな。
次の授業の準備の為に机に手を入れた時、何かがカサッと音をだして手にあたった。


