ふーん、なんだそれだ…。
「元保芽を!?」
つい大きな声で、叫ぶと慌てたように慎也が俺を殴った。
「ばっか!お前マジで…なんで大声で叫ぶんだよ」
「わるい…、昨日あんな風に言われたばっかなのに…突然好きとかいいだすし」
「俺ああいう風に怒られたの初めてでさあ、ズドーンときたわけよ、ズドーン」
思い出すように言って、頬を赤らめる慎也を見てあきれ果てる俺。
マゾ?真のマゾ?
友達やめたいなあ…。
本気で引いてしまっている俺に気がついた慎也が慌てて弁解をする。
「今まで何いわれても好き放題やってきたのに、言われた瞬間何もできなくなったんだよ。すっげぇ、心に響くっつーか。きゅんとときめく?アレ、俺なにいってんだろ…。とにかくだなぁ!」
ぐっと俺に寄ってきて肩をがっしりと掴むと口を大きく開く。
「協力してくれ!」
「はあ!?」
かくして俺は、平穏な学校生活とは程遠い仁義なき戦いに巻き込まれていくのであった…。


