「なんだよー、ひどいなあ。分かったよ、行けばいいんでしょー!」
怒ったように頬を膨らませてあるきだした後ろ姿を、ふうと一息つきながら見る。
そんな俺に、振り返った彼女は口ぱくで ばーか と言った。
それにむかついて言返そうとするとにこっと笑った彼女が
「じゃあまた後で会おうね!」
と手を振った。
それに拍子抜けしてしまい、言い返せぬまま彼女はもう人混みに紛れてしまっていた。
タイミング逃した…。
俺、なんいか振り回されてる気がするんだけど、気のせい?
じゃ、ねぇよな…。
やべぇー。
なんか、すげぇー不吉な予感する。
俺の中に、またひとつやっかいな物が増えてしまった。


