ボサボサの髪を、わしゃわしゃと掻き乱して荷物を手にし玄関へと向かう。
朝の太陽は、結構すき。
なんかやわらけぇから。
なんか、無性に綺麗だから。
ぼーと歩いてたら、肩をポンと叩かれた。
振り向いた瞬間、俺は早く逃げ出したい気持ちになった。
つか、まじなんなわけ?
「や!」
にこっと笑って、片手をあげるその人は昨日の最悪女だ。
「…なんだよ」
仏頂面で返す俺なんて無視で、明るい調子でまた彼女は微笑んだ。
「昨日、無事帰れたんだね!」
「当たり前だろ、馬鹿にすんな」
このやろうまだ俺を馬鹿にする気かよ。


