一人葛藤している俺は、勇気を出して一歩ずつ前に進んでいく。





だんだん近づく度に、心臓がバクバクと大きく鳴る。







女との距離を1メートルほどしか残さず、彼女は下げていた頭を上にあげた。





こちらに振り向く彼女の目が俺をしっかりと捉えた。






「ぎゃあー!!」







…は!?


俺が叫ぶ前に、大きな声で叫んだのは女の方だった。





彼女は後にある外壁に後ずさるとまだ驚いているのかひきつった顔を浮かべている。







何、何なんだよ。




普通逆じゃね!?



俺が驚く方じゃね!?




マジ焦るわ…。




心臓にわりぃー…このひと。