と、まあ恭治と出会った話はこんなもん。
それから、俺は近くの公立に受験して恭治も同じところを受けた。
「おい、和希。4時限目自習らしいぞ。」
恭治は黒板を見ると、持っていた紙を丸めてゴミ箱へと投げた。
円を描くように綺麗にゴミ箱に収まった紙。
ん…?
何投げたんだ?
「おい、お前さっきの紙…」
恭治は俺の問いかけに眉を寄せると、不機嫌な声で言う。
「知らねぇーやつのアド」
「…またかよ」
昔は恐れられていた恭治も、高校に入ってからはあまり悪さをしなくなった。
それだからかどうか知らないが、外見の良い恭治は女子からモテはじめた。
でも、恭治にとってはそれが鬱陶しいらしく。
いつも不機嫌になる。


