携帯を開くとそこには、何十件もの着信があった。
それも、どれも母親からの。
そういや9時回ってたんだっけ。
やべぇーな…。
俺は急いでかけ直すとワンコールで大きな怒声が部屋に響いた。
『何してるの!?こんな時間まで家に帰らないで!』
一気に喋りだす母。
「ごめん、ちょっとあってさ。…今日帰れるかどうか分かんない」
家に帰る道分かんねぇし。
『馬鹿言わないで!早く帰ってきなさい』
いや、だからマジ無理なんだって。
「あーもう、ちょっとはいいじゃん」
『ふざけないで!あんた受験があるのよ!?遊んでないで、一日でも欠かさず勉強しなさい!』
勉強…か。
俺だって、俺だってやれるだけやってるけど。
でも、お前にはムリだって…。
変えた方が良いって、言われたんだ。
俺は、俺はどうすりゃいいんだよ。


