「…今度こいつに手ぇ出したら、殺す」
その言葉に、逃げるように消えていく。
そんな奴らを見つめて俺は安堵で力が抜けその場に倒れ込んだ。
恭治は驚いたように、目を見開くとしゃがみこんだ。
「おい、大丈夫か?」
さっきとは別人のような、言葉に俺はハハっと笑ってみせた。
すると、
「なに笑ってんだよ、てめぇ」
とムッとした表情と声で言った。
あーあ、なんだこいつ。
めちゃくちゃいい奴じゃんか。
俺みたいの助けてさ。
マジで、ばっかみてぇ。
恭治の言葉を無視して笑い続ける俺。
恭治は、俺に肩を貸してくれた。
「…こんなとこいたらあの連中共が警察呼ぶから、バックれるぞ」
俺に聞こえるぐらいの声でそういうと、俺達をみる通行人達をにらみつけた。


