自分でも思ってもみないほどの力だった。 まさか、払いのける事が出来るとは思わなかった。 「この野郎!」 俺の言葉と態度が、そこに居た仲間と男を相当キレさせてしまった。 一斉に振り落とされる拳があたる瞬間を見つめた。 あーあ…また馬鹿やっちまったな…。 俺このままで、高校行けるかなぁ…。 ハハ…なんかもう。 どーでもいいや。 「おい」 その声が聞こえたのは、俺の顔面に当たるほんの直前だった。 がっちりと掴まれた振り落とされた拳。 俺の目の前にいる男は、さっきまで探していた男。