俺を睨む目は今にも殴りかかりそうな程鋭い。
髪を金や茶色に染め、ピアスを大量につけているようなガラの悪い奴らだった。
「てめぇー、何足だしてんだよ」
そういうと、俺を囲むようにして並んだ。
いや、勝手におまえらが引っかかっただけだろ。
俺はちゃんと除けてたし…。
何も言わない俺を不快に感じたのか、金髪の男がどんと強めに俺の肩を押した。
その衝撃と痛さに顔を歪めると、下を向いたまま両手で拳を作った。
何だよ、マジで…。
「…何とか言えや!」
金髪の男が怒鳴る。
その声に、平然と歩いていた人々の波が止まった。
ヒソヒソと俺達を見て会話する声がきこえる。
同情の目と、汚いものでも見るかのような軽蔑の目。
…さっきまで、無関心だったくせに。
関係ないなら関係ないふりしろよ。
そういう目で見られんのが一番腹たつ。


