「お前こそ何してんの?学校休んで。」
肩を抱いたまま男が元保の耳元で「誰?」と囁く。
それなのに嫌がりもしないあいつをみて、俺は一気に馬鹿らしくなった。
こんな奴の為に走った俺は馬鹿だ。
冷ややかな俺の目を見て、元保は俺から顔を背けると男の手を払った。
「もういいわ。邪魔して悪かった。」
ため息と共に吐き出した言葉を残して、また扉のドアノブを握る。
すると、
「君、こいつ連れて帰ってよ。」
そう言って手を拭きながら元保に指を指すお店の男の人。
少し向けた視線が、合うとにこっと笑う。
その顔はなんだか笑っているのにぞくっとした。
「お前らも、いい加減帰してやれよ。俺の大事な妹なんだからさあ。」
視線を男達に向けて言うと、彼らは渋々という声でああと頷いた。
「理人…」
驚いた顔をして店員を見た元保がそう名前を呼ぶと、店員である理人さんが今度は優しく笑った。
「もう、帰れるっておじさんが言ってたから。」
くしゃっと元保の頭をなでる理人さん。
俺は何がどうなってるのか分からなくて、ただたっているだけだった。


