「すぐ照れてしまう、面倒でごめんなさい。」
そう苦笑いを浮かべて言う愛子。
俺は、愛子の頭をなでた。
「愛子。」
名前を呼ぶと彼女は俺の方に少し顔をあげた。
「俺は、愛子がはじめてだよ。付き合うのも…好きとか可愛いとか、そんな感情を抱いたのも。」
なにも心配しなくてもいいよ。
愛子のやわらかい髪が風で舞う。
それを整えるように撫でる。
彼女は赤い頬に手を当てて、ふにゃっと笑った。
愛子を家に送った帰り、元保の家の前を通ると家の電気は消えていた。
もう外は暗いのに。
…寝てるのか?
いや…
「…俺には関係ないか」
ぽつりと呟いて歩きだしたとき、俺の携帯が鳴った。


