すると勢いよく顔をあげた愛子の顔は固まっていて、赤くなっている。


「なに、どした?熱?」


動かないし、喋らないし。


不安になった俺が愛子のおでこに手を当てようと伸ばすと、ガタンと音を立てて立ち上がった。


「う、ぁの、えっと…」



「ん?」


首を傾げながら耳を傾ける。


「一緒に帰るん…だよね。」



そういった瞬間また顔を赤くする。



…あ、そういうこと…。



「だよ、じゃあはやく用意して~」


にこっと笑ってみせると、机に出してあった教科書を手にとって、鞄に入れるように促す。



「は、はいっ」


なんて軍隊みたいな返事をして荷物を片付ける。





愛子が鞄を肩に掛けると、2人で教室をでた。



彼女と放課後って、どきどき。


デートらしいデートができるか心配なくらい気持ちが浮いて落ち着かない。



「進藤くんって、紳士だね…」



ふっと漏らすように愛子が言った。


「え、紳士って」


笑いながら返すけど、愛子の表情は何故か浮かない。



「どーした?」


そういって顔を覗きこむ俺の顔をくっと見つめる。


愛子の顔はやっぱり浮かない。


「ほんとにどーしたの」


曖昧に笑う俺。


「進藤くん格好良いから、彼女さんなんていたよね…私は進藤くんと話すだけで凄くドキドキしちゃうの」