「じゃあ私この後
バイトだから、
そろそろ行くね」



千鶴は席を立つと

3人に手を振った。



「おっ…おぉ…」
「うん」
「またねっ」



3人は手を振り返し、

千鶴を見送った。



青希は不思議そうに言った。



「あいつどうしたんだ?
いつもならこんな時
一番張り切るのにな…」



すると淳は慌てて

立ち上がった。



「あーっ、
俺もこの後
用事あったんだっ。
悪いっ…先帰るわ…」



「なんだよ淳っ、
おまえもかよ?」



「ごめんごめん。
またゆっくり計画
立てようぜ?」



「またな春香っ」



「うん」



淳はテーブルに

自分の分の代金を置き

慌ただしく出ていった。



「なんだよ2人とも…」



「なんかみんな
忙しそうだね…
リンクは大丈夫なの?」



「ん?あぁ俺は大丈夫だよ。
バイトもそんなに
入れてないし…」



青希は何でもない

顔をして言ったが、

内心は違和感を感じていた。



何かが違う…



今までとは異なる空気感に

戸惑いを感じていた。



いつもなら春香と

2人きりになると、

嬉しくてしかたない

はずだ…



しかし、

今はそれを素直に

喜べなかった…