――荒れ地をぬけて。

やっと『 知らない森 』の入口にたどりついたロッティー。
遠くから、あこがれていた『 知らない森 』は
どんな所だろうかと、胸がわくわくします。

ロッティーは『 知らない森 』中に入って行きました。
だけど見えくる風景は……はえている草や木も、咲いている花も
ムーンライトの森のものとあまり変わりません。
きっと『 知らない森 』には、ふしぎな木や花が
いっぱい咲いているんだと思っていただけに
普通の森だったので、ロッティーはがっかり……。

ああ、こんな森だったんだぁー。
そうと分かったら、ロッティーは急にお腹が空きました。
今日は本当にたくさん歩きましたから――。

木の株に腰かけて、ロッティーは
背負っていた、リュックを開けました。
中には、香りのよい真っ赤なりんごが三、四個入っています。
お母さんが『 知らない森 』に行くロッティーのために
持たせてくれたものです。

りんごを食べたら、お母さんの待つムーンライトの森に
早く帰ろうと思いました。
お母さんのことを思うとロッティーは
ちょっぴり切なくなりました。
りんごの味も甘酸っぱくて……。