「ロッティー旅はどうだった?」
「うん、いろいろあったけど楽しかったよ」
それからロッティーは『 知らない森 』であったことを
お母さんに話しました。
にんじん畑のことやカラスのおばさんにもらった色ガラスなど
辛い目にもあったけど、チャムと友だちになれて良かったことも。

「ねぇ、お母さん『 心の目 』ってどうしたら見られるの?」
「心の目?」
「うん、荒れ地で会ったブタのしじんさんが教えてくれたの、
大事なことは『 心の目 』で見なさいと……」
「そうかい。それはたぶん……こう言うことだと思う」
お母さんは少し考えてから、ゆっくりと答えました。
「見た目にごまかされないで、心の中でよく考えて決めなさい」
「心の中でよく考えることが『 心の目 』だったのね!」
やっと、ロッティーにもブタしじんの言っていた意味が
少し分かりました。

「ホォーホォーホォー」
森のミミズクのおじいさんがムーンライトの森中に
ロッティーが旅から帰ったことを知らせています。

森の仲間たちが集まってきて、ロッティーの無事を喜びました。
一緒にムーンウインドの森からきたチャムのことも
みんなで大歓迎してくれました。

ムーンライトの森、ここなら仲間がいるので
チャムは寂しくなんかありません。
もうウソなんかつかなくてもいいんです。

――チャムはやっと自分の居場所を見つけました。