荒れ地の黒い岩の上に、誰かが座っています。
それは一匹の大きなブタですが……。

「こんにちは。しじんさん」
「やあ! 仲間がふえたね」
「俺、チャム」
「大事な友だちです」
「ほほぉー『 友だち 』は、しじんの好きな言葉だ!」
いきなり、しじんはマンドリンをかき鳴らして、うたいだしました。


 友だちって なぁに~♪ 友だちって なぁに~♪
 
 君が悲しくて 泣いていると
どうしたの? 声をかける
何も言わずに 泣いていたら
ポケットから ハンカチを差し出して
ふたりで一緒に 涙を拭くんだぁ~♪

それが 友だち~♪ それが 友だち~♪

 君がうれしくて 笑っていたら
 いつの間にか そばにいる奴
 背中をバシッと叩いて この野郎!
 はしゃいで ふざけて 大笑い
 ふたり一緒で 喜びも二倍さぁ~♪

 友だちって いいなぁ~♪ 友だちって いいなぁ~♪


ブタしじんは気持ち良さそうに、ヘンテコリンな歌を
うたっています。

その歌声に見送られるように、ロッティーとチャムは
ムーンライトの森へ帰って行きました。