「じゃあ、どうすればチャムを許してくれるの?」
「そうだなぁー」
イノシシはしばらく考えてから、仲間と相談を始めました。
三匹はヒソヒソしゃべっていましたが……決まったようです。

「チャムを許して欲しいなら、おまえが持っている物の中で……」
イノシシはそう言うと、ひと呼吸してから――。
「一番大事な物を俺たちによこせ!」
「ええー!」
ロッティーは困りました。
今持っている物の中で、一番大事な物と言えば
カラスのおばさんがくれた、キラキラ光る色ガラスしかありません。
すごく気にいっているので、やりたくないのです。

「どうだ、一番大事な物をわたすのはイヤだろう?」
「こんなウソつきは放っとけばいいんだ」
「俺たちにチャムを殴らせろっ!」
三匹は口々にまくし立てました。
ウソつきチャムのために、カラスのおばさんがくれた
色ガラスをわたすのは、ホントに惜しいのです。

「どうせ、口だけだろう? こんな奴、たすける価値ないぞ」
そう言うとイノシシはチャムを絞めあげました。
「痛たたぁー」
チャムが苦しそうにもがいています。
「やめてください! これをあげます」
キラキラ光る色ガラスをロッティーは差し出したのです。