「ん? おまえは誰だ」
イノシシが聞きました。
「ムーンライトの森からきたロッティーです」
「よそ者はすっこんでいろっ!」
ハリネズミが怒鳴った。
「さては、おまえもこのウソつきの仲間だな?」
イタチがうたがわしい目で見ました。

「俺はウソついてないのに……こいつらがイジメるんだ」
チャムが言い訳しましたが、すぐにウソだと気づきます。
「なんだとぉー? このウソつきがっ!」
イノシシがチャムの頭をポカッと殴りました。
「みなさん、チャムはウソつきで、わたしもだまされました」
「おまえもこのウソつきのだまされたのか?」
「じゃあ、俺たちの仲間だ! 一緒にこいつをぶん殴ろう」
ハリネズミとイタチが言いました。

「いいえ、わたしはチャムを殴ったりしません!」
「そうか! だったらどっかへ行けよ」
ムッとした顔でイノシシが言います。
「そして、チャムを殴らせたりしません!」
「なんだとぉー?」
全員が口をそろえて聞き返しました。

「いいこと、チャム。みんなにウソをついたこと、ちゃんと謝りなさい」
「……分かった」
ロッティーに言われ、チャムは素直にうなずきました。

「みんな、ウソついてゴメンなさい」
チャムはみんなに謝りました。

「チャム、そして二度とウソをつかないって誓いなさい」
さらに、ロッティーに言われ、コクンとうなずくと……。

「二度とウソはつきません」

「ちゃんと謝って、ウソつかないこと誓ったから、もう許してやって」
ロッティーがチャムの手を引っ張って行こうとすると、
「待てよ!」
「俺たちは謝ってもらっても気がすまない」
「そうだ、そうだ!」
三匹は口々に不満そうに言いますが
そんなことを言われても困ってしまいます。